1.自傷行為に対する正しい理解が
日本には不足している
近年、著名な芸能人の自殺に関するニュースなども散見され、あらためて自殺や自傷行為が社会的にクローズアップされている実態があります。
またその中で、自殺未遂やリストカット等、自傷行為そのものも社会問題として再認識されるようになりました。
これらにおいて「自傷」「リストカット」と聞いた際、この単語が抱く鬱々としたイメージから、中にはこれらの行為に対して「精神科的な疾患を抱えている」「メンヘラ」「アピール目的」「かまってちゃん」等の解釈をする方も少なくない実態があるのではないでしょうか。
しかし、実は「自殺」と「自傷」は、その目的において全く正反対のものだという正しい認識については、これまであまり知られてきませんでした。
2.自傷行為は、決して特殊な人々のみが
行う行為ではない
自傷行為というのはかなり特殊な人が行う行為なのでしょうか?
国立精神・神経医療研究センター松本俊彦博士(当協会顧問)の調査では、「中高生のおよそ1割に自傷行為の経験が少なくとも1回はある」ことが分かっています。
更にその1割の生徒の中の約6割が「自傷行為を10回以上経験したことがある」との結果も出ています。
つまり世間の人々が考えるよりも、多くの若者が「自傷行為」を経験しているという現実があるのです。
3.自傷行為とは、
実は「生き延びること」を目的としている
では自傷行為はなぜ起こるのでしょうか?
この問いかけに半数以上の中高生が「不快感情の軽減」を理由に挙げています。
耐えられないほどの激しい怒りや不安感や緊張感に襲われたときに、誰の助けも借りずに自分だけで乗り切る方法として「自傷行為」が選択されている背景があるのです。
つまり死にたくなる程辛い気持ちを何とかやり過ごすため、生きるための対処スキルとして自傷行為が行われていることがほとんどなのです。
自殺は死ぬことを目的としますが、自傷は生き延びることを目的として行われているのです。
これら3つの正しい知識を広め、自傷行為に対する誤った理解をなくすため当協会を設立いたしました